むくみや冷えに効くのは？タイミングや症状別『マッサージの順番』
マッサージをしようと思ってやり方を調べたら、「体の中心から外に向かってやる」って書いてあったり、「心臓に遠いところから順番にやる」って書いてあったりして、「どっちなんだ？」って思ったことありませんか？
結論から言うと、「どっちも正解」なんです。
マッサージをするタイミングや、むくみや冷えなどの治したい症状によって変わってきますので、それを解説しようと思います。
１．【なんでマッサージすると体が楽になるの？】マッサージの目的
マッサージの順番を解説する前に、マッサージの目的を説明します。
マッサージの目的にはいろいろありますが、その中に「血液とリンパの流れをよくすること」があります。
心臓は体全体に血液を送り出すポンプ機能を持っていますが、心臓のポンプ機能だけでは全身の筋肉から心臓へ血液を送り返すことが十分にできません。
そこで大事になるのが筋肉のもつポンプ作用です。
筋肉は収縮と弛緩を繰り返して、静脈内の血液を心臓へと送り返します。
しかし、筋肉量が少なかったり、運動量が少なかったりすると、うまく血液を送り返すことができず、静脈内で血液の流れが滞ってしまいます。
そこで、マッサージによって筋肉を外から揉みほぐし、血液を心臓に送り返す手伝いをします。
また、細胞から受け取った老廃物や疲労物質を体外へ排出する役割を担っているリンパ液は、筋肉の動きによってリンパ管が刺激され、流れるという仕組みになっています。
そのため、マッサージで筋肉をもみほぐすことがリンパを流すことにつながるのです。
つまりマッサージをすることで、滞っていた血流が良くして冷えを改善したり、リンパの流れが良くしてむくみを改善したりできるのです。
２．【こんなときはこっちから！】タイミングや症状別、マッサージの順番
２－１．運動前のケア、冷え・重さ・だるさを改善したい場合は「中心から末端」
血液は酸素や栄養素だけでなく、熱の運搬も行っています。
体の末端部にうまく血液が流れ込んでいないと、手足の冷え・全身の重さ・体のだるさを感じます。
つまり手足の冷えは、血液が末端まできちんと流れていないことが原因なのです。
こういったときは、「体の中心から末端」に向かって筋肉をほぐし、循環をよくしていくことが大切です。
背中やお尻、太ももなど、大きい筋肉から末端に向かって血液を送り出すようにほぐしていきましょう。
また、運動前に行う体のケアとしてのマッサージもこの順番でやります。
２－２．運動後のケア、全身の疲労・むくみ を改善したい場合は、「末端から中心」
運動直後は乳酸などの疲労物質が筋肉内に多く蓄積します。
これらの物質が蓄積すると浸透圧が高まるため、それを薄めるために水分が流入していきます。
これが運動直後のむくみや痛みを招きます。
また、リンパの流れが悪いと、老廃物や疲労物質が体外に排出されず、全身の疲労やむくみの原因になります。
また、重力の関係で、立っているだけで下の方に水分や疲労物質が溜まりやすくなるのも、脚のむくみの原因の一つです。
よって、運動の後や全身の疲労、むくみがあるような場合には、静脈内で滞っている血液とリンパ液を心臓に送り返すために「体の末端から中心」に向かってほぐしていきます。
ふくらはぎや前腕部などをしっかりと揉みほぐし、静脈の血流とリンパの流れを改善し、老廃物や疲労物質を体外へ排出することが大切です。
３．まとめ
運動前のケアや、冷え・重さ・だるさを改善したい場合は、「体の中心から末端」
運動後のケアや、全身の疲労・むくみ を改善したい場合は、「体の末端から中心」
というように、マッサージを行うタイミングや改善したい症状別で、その順番が違ってくることが、おわかりいただけたことと思います。
この記事を参考に、身近な人にマッサージをしてあげたり、してもらったりして、みなさんがより健康な生活を送っていただけたらと思います。
４．それでも改善されない方へ
家族や友人などにマッサージをしてもらってもなかなか症状が改善されない場合、マッサージ店に行くことを選択する方もいらっしゃるでしょう。
「どの店がいいのかよくわからないから、とりあえず安いとこに行ってみよう」
そんな軽い気持ちで店を選ぶと、痛い目を見る場合があります。
「高ければいい、安いとこはダメ」
必ずしもそうではありませんが、事前に調べたり、実際に施術を受ける前にきちんと自分の症状を説明したりするようにしましょう。
そのひと手間を惜しむと、せっかく時間とお金をかけてマッサージ店に行ったのに、揉み返しや症状の悪化に苦しめられるといったことになりかねません。
時間とお金、そしてなによりも大切なあなたの体のために、お店選びは慎重にしましょう。
